みなさんの本音から、人事の「今」が見えてくる アンケート集計結果レポート

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過重労働について

過去一年で、過労死ライン(月80時間)超の残業社員がいた企業40%
 7割が過労対策に取り組むも、残業推奨の風土に悩む企業多数
アンケート実施期間:
2017年1月25日(水)~2017年2月21日(火)
有効回答数:
408名

今回は、過重労働について伺いました。
現在の月間平均残業時間を伺ったところ、「1~20時間」がもっとも多く45%。次いで「21~40時間」が41%となっています。残業発生の要因は、「取引先からの要望(納期など)にこたえるため」を挙げる企業が半数以上。残業問題は、生産性・体制など自社内だけの問題ではないことが見て取れます。

また、過労死ラインと言われる「月80時間以上の残業」。過去一年間で、このラインを超えた社員がいたかどうかを聞いてみると、40%の企業が「いた」と答えています。

過重労働に対して、7割超の企業が「取り組みをしている」と回答。取り組む理由でもっとも多かったのは「従業員の健康のため」でした。具体的な取組内容で多かったのは「業務分担やフローの見直し」58%、「管理職への教育(時間管理)」52%、「残業を事前申請させる」51%となっています。

最後に、「過重労働」についての困りごと・意見を伺いました。コメントには、「会社が残業推奨の風土になっている」、「無理に頑張ってしまう社員がいる」など、様々なご意見を頂戴しました。ぜひご参照ください。

Q1
貴社での平均残業時間(1ヶ月)は何時間程度ですか?
0時間:1%、1~20時間:45%、21~40時間:41%、41~60時間:9%、61~80時間:3%、81~100時間:1%
Q2
Q1 で、「1時間以上の残業が発生している」と回答した方にお伺いします。
残業が発生する主な理由は何ですか?(複数回答可)
取引先からの要望(納期など)にこたえるため:51%、常に仕事量が多いから:41%、人員不足だから:37%、時季的な業務があるから:33%、管理職のマネジメント力不足:22%、年々、業務が複雑化しているから:21%、従業員の能力不足:17%、業務フローが整備されていないから:12%、事業活動の繁閑が大きいから:10%、景気が良くなって仕事が増えているから:9%、長時間労働を評価する風土があるから:7%、わからない:1%、その他:5%
「その他」と回答した方のコメントより
  • 従業員の生活残業及びそれを援助する管理職がいるから。
  • 医療業のため突発的業務の発生による。
  • 業務すればするほど収入が増えるため。
  • 接客による退社時間延滞。
Q3
貴社では、過去一年間で過労死ラインである月80時間を超える残業をした社員がいましたか?
いた:40%、いない:55%、わからない:5%
Q4
貴社では、過重労働対策に取り組まれていますか?
はい:74%、いいえ:21%、わからない:5%
Q5
Q4 で、「はい」と回答した方にお伺いします。
過重労働対策に取り組まれている理由は何ですか?(複数回答可)
従業員の健康のため:94%、生産性向上のため:47%、残業費削減のため:46%、従業員の満足度向上のため:44%、従業員の離職低減のため:41%、部署や職種による繁閑を平準化するため:13%、時季による繁閑を平準化するため:7%、その他:2%
「その他」と回答した方のコメントより
  • 労働組合から要求されているため。
  • 法令遵守のため。
  • 監督署対策。
Q6
Q4 で、「はい」と回答した方にお伺いします。
実施している取り組みについてお答えください。(複数回答可)
業務分担やフローの見直し:58%、管理職への教育(時間管理):52%、残業を事前申請させる:51%、残業時間の上限目標を設ける:36%、ノー残業デーを設ける:32%、正社員を増やす:24%、派遣社員・パート社員を増やす:20%、業務を外注する:16%、フレックスタイム制など、勤務時間の変更:16%、強制消灯などの実施:5%、その他:5%
「その他」と回答した方のコメントより
  • 取引先への申し入れ等による改善活動。
  • 常駐先企業への働きかけ。
  • ICTの活用促進による業務効率化。
  • 代休取得の奨励。
Q7
2016年12月に決定し、2017年より順次施行される「過労死等ゼロ」緊急対策をご存知ですか?
内容も含めて知っている:16%、名称は聞いたことがあるが、内容はよく知らない:63%、知らない:21%
Q8
Q7 で、「内容も含めて知っている」と回答した方にお伺いします。
新ガイドラインに沿って、企業への指導、社名公表が強化される「過労死等ゼロ」緊急対策。実効性はあると思いますか?ご意見をお聞かせください。 


肯定的な意見
  • 即効性はないが、徐々に危機感を感じる会社は増えると思う。ただ、それでも過労死ラインレベルの残業は減らないと思う。
  • 社名が公表された場合、企業イメージに多大な影響を与えるため、大企業は本腰を入れて対策に乗り出さざるを得ないと思います。
  • 一定の抑止力は働くかとも思うが、除外されるべき業種もあると思う。
  • プレッシャーがあるから実効性はあると思う半面、隠そうとする風習がある会社は陰湿になると思う。
  • あると思います。企業名の「公表」は、社内外問わず、信用に著しい影響を及ぼすと思います。信用を失墜させないために、企業の上層部も本腰を入れて取り組むと思います。
否定的な意見
  • あまりない。そもそも有名企業でもなければ、企業名が公表させても話題にならないため、実効性に乏しい。
  • 各地域にある労働基準監督署によるチェック強化を行い、大企業だけでなく、中小企業へのチェックも厳正に行わない限り、表面上だけで実効性に乏しいと思います。
  • 企業トップ、マネジメント層の考え、姿勢の教育が行き届かなければ、大きな効果が期待できないと思う。
  • 企業名公表については、中小企業では事業所が1箇所しかないことがほとんどなので、実効性はないと思う。ある程度以上の企業に対する牽制の意味が大きいのでは。
  • 実効性があるとは、思えないが、過労死ゼロに向けたメッセージは、あってもよいと思う。
その他の意見
  • 仕事が山積みでも次の日やれば許される仕事なら良いのですが、弊社のような下請け企業の場合、急な納期のひっ迫で残業・休出等してなんとしてもやらなければならない仕事もあります。ただ単に時間外労働80時間超えはダメとか数字だけでなく、行政の方は現実を良く知っていただきたいと思います。
  • 過労死の本質的な要因は長時間労働しているからではなく、時間内及び自己の能力ではこなしきれない業務の強いられの積み重ねによるものだと思うので、単純に長時間労働も減らせば実効性につながるとは思えない。逆に責任も持たされてどうしても仕事を遂行していかなければならないと取り組んでいる人への、さらなるシワ寄せが懸念される。
  • ガイドラインの厳格化、呼び出し、企業名の公表といった手法より労働時間削減の好事例紹介やアドバイスを行う支援型を進めていただきたいと思います。減らせと言って減るくらいなら問題になっていないと思います。
Q9
今後、社員の過重労働についてどのような対応をお考えですか?また、その理由について教えてください。
残業削減に向けて、積極的に取り組む:52%、状況を見て、取り組みを検討する:38%、積極的には取り組まない:4%、わからない:4%、その他:2%


残業削減に向けて、積極的に取り組むと回答された方のコメントと理由
  • 生産性向上、経費削減に直結するから。人材確保の観点からも必須事項。
  • 長時間残業が多い事業所はおおむね業績が悪い為。
  • 近年話題になっていることもあってか、新卒・中途を問わず求職者からの質問で必ずと言っていいほど時間外労働についてたずねられるが、実態を話すと志望が低下するし、かと言ってうそをつくわけにもいかないし、根本的に現状を改める方が先決と考えるから。
  • 社員の健康を守るためと、モチベーションを下げないため。
状況を見て、取り組みを検討すると回答された方のコメントと理由
  • 1日2時間程度までの残業で済んでいて、自身でスケジュール管理するようにしているので、社員の士気を損なう程のものではなく、現状は取り立てて対策を練る環境ではない為。
  • 得意先要望に応えるため、やむを得ず残業になるケースがありますが、できる限り得意先にお願いし納期延期の要請を行っております。
  • ここ数年、安全衛生委員会のメンバーを中心に残業時間の削減を実施しており、平均10時間程度の削減がなされている。今後は継続して長時間労働を行う社員が出ないよう注視していく予定である。
積極的には取り組まないと回答された方のコメントと理由
  • もともと残業が少ないので弊社においては問題なし。
  • 解決策がない為。
わからないと回答された方のコメントと理由
  • この件について経営側からアクションがないため何を考えているか分からない。若干不安はある。
その他と回答された方のコメントと理由
  • あまり残業云々を強調しすぎると、残業をつけるな、と曲解されかねない。それよりも、業務の時間配分を効率化し、生産性が上がる方が会社としてプラス。結果として、残業時間が減ることを期待している。
Q10
社員の過重労働について悩みや課題がありましたら、お聞かせください。

  • 80時間超の時間外があった場合、産業医の指導を仰ぎ、セルフチェックシートを提出してもらっているが、体調が悪くても頑張ってしまう社員がいること。
  • 会社に長くいることを推奨する風習がある。業務の効率化や圧縮により定時退社する社員に対し、低い評価をする。逆にダラダラと仕事し何もせず残業している社員を高く評価する。経営陣の考え方が変わらない限りは改善はされない。
  • 現場の長や従業員本人が長時間労働を本部に隠す傾向がある(人件費の兼ね合いもあり)。本人たちは良かれと思ってやっているようだが、本部としては迷惑でしかない。
  • 残業代が社員の生活給の一部となっています。それを減らすという事が社員のモチベーションダウンにならないように取り組まなければならないと考えます。
  • 生産性が決してよくないスタッフが、成果を優先的に考えて業務をおこなってもらえるようになるのか、生産量が落ちるだけにならないのか、どのようなサポートで良い方向に進むのかが悩みどころです。
  • 組合が存在しておりますが、組合側意見と実態が伴っておらず、時間外が劇的に減少する環境にない。仕事に対する工夫が見られない。
  • 特定の人に業務が集中、慢性的な時間外労働に繋がる傾向があります。
  • 発注元からの依頼が煩雑化するが価格に反映できず労働時間が延びてしまう。
  • 無駄な仕事を作らない、させないことで労働時間を削減できる一方、労働時間削減のための実態調査、改善提案、報告などの資料作成で時間を費やしているのも事実です。悩ましい課題です。
  • 役職についている社員が残っていることでなかなか他の社員が帰りにくい雰囲気が作り出されてしまうこと。
  • 問題そのものに対し、社員の意識が低い。
  • 滅私奉公、会社に長時間いることが趣味、仕事がすべて・・・という高度経済成長期の遺物みたいな人がほんとにいるとは思わなかった。今は21世紀であることを如何に理解させるか。

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