社員の定着率改善に個人の「キャリア」を把握することが重要な理由
年末年始のこの時期は、家族や友人などと今の生活や将来のことについて話す機会が増え、必然的に「キャリア」について考えることが増えます。年明けを経て、4月の新年度に向けて転職を考え始める人も多くなる時期でもあります。
弊社が行った
「転職を考えたきっかけ」に関するアンケートにおいて、「給与・待遇への不満」に次いで多かった回答は「仕事内容への不満」、「成長実感が持てない」という回答でした。
これらの回答をした人のコメントには、「会社の方針」や「仕事のやりがい」が自分とあっていない、という回答も多くありました。つまり、自分が求めるキャリア像が今の会社と合っていないと感じ、転職を考えるようになった人が多い、ということです。
社員の定着率改善、組織や会社が求める人材の採用において、求職者のキャリアを見極めること、求職者のキャリアと会社の方向性が一致していることが重要であるということがわかります。
転職者が仕事を選ぶ判断基準となる「3つの要素」
就職・転職活動を行っている人たちが仕事を探す際、業界や職種、仕事内容、給与や福利厚生など、求人情報をもとに応募したい企業を探します。
その中から実際に就職先を決める段階になると、仕事内容や給与も判断材料の一つとなりますが、より重要な判断基準として、一人ひとりの内面にある「キャリアを形成するための3つの要素」が深く関わってくると言われています。
その「3つの要素」とは、以下のものです。
- [能力]:仕事や人生を通じて培ってきた経験や実績。それによって身についた能力やスキル。
- [動機]:仕事でやりたいこと、やりたくないこと。仕事を通じて実現したいこと。
- [価値観]:仕事において大切にしていること。譲れない信念や考え方。
これら3つの要素は、その人の人生の中で築き上げられるものであり、仕事を選ぶ際、就職先を決める際の大きな判断材料となります。特に「価値観」は、その人の人生に対する信念や考え方とも深く関わっており、物事を決定する大きな役割を担っています。
また、一度作られた判断基準はずっと変わらないというものでもありません。仕事での経験、人生経験を積み重ねることでより強化されたり、転機を迎えることで大きく変化したり、常に変化しながら作り上げられ、使われるものです。
この判断基準は、その人の仕事に対する考え方そのものとも言えるため、入社後の定着度合いを大きく左右します。会社の理念や価値観と本人の判断基準が大きく異なっている場合、組織にフィットしにくく、定着しづらくなる傾向が強くなります。
裏を返せば、求職者が持っている能力・動機・価値観の3つの要素を把握し、組織として求める要素を持つ人物像に近いかどうか確認することで、入社後に組織に定着し、活躍できる人材かどうか見極めることができるようになります。
ただ、これらの要素は定性的で、履歴書や職務経歴書、採用面接の短い時間の中で把握することは非常に困難なものでもあります。この重要な3つの要素を8つのタイプに分類し、数値でわかりやすく表したものが3Eテストの「キャリアタイプ指向性」です。
仕事における価値観が把握できる「キャリアタイプ指向性」の8つのタイプ
エン・ジャパンの適性検査「3Eテスト」では、転職者が仕事を選ぶ際の判断基準となる「能力・動機・価値観」を分析し、把握しやすいよう以下の「8つのタイプ」に分類し、診断結果は得点方式で出力します。
これら8つのタイプに良いタイプ・悪いタイプというものはなく、どれも大切な要素です。また、得点が高ければ良い、低ければ悪いということもありません。
受検者がどのタイプをどのような順番で、どれくらい重要視しているかを表したもの、つまり受検者のキャリアに対する考え方や価値観の大きさと優先順位について表しているものです。
会社が採用したい人物に求めるキャリアに対する価値観と、応募者がもつ価値観との一致度が高ければ高いほど、入社後の定着・活躍が見込みやすくなります。
また、応募者本人が自分のキャリアタイプ指向性を把握することで、自分自身のキャリアに対する価値観を客観的に認識でき、仕事を通じて進むべき方向性をより明確にして、仕事に取り組むことができるようになります。
採用、指導・育成における「キャリアタイプ指向性」の活用法
採用活動において、採用した人を定着させ、活躍させていくためには、企業が採用したい人に対して求める価値観と、近い価値観を持つ応募者を採用することで定着、活躍度を高めやすくなります。
実際の活用事例をご紹介します。
3Eテストの「キャリアタイプ指向性」は、まさに仕事における価値観の優先順位を可視化したものになります。キャリアタイプ指向性の高い順番に従って、仕事を与えることで、相手から進んで「その仕事をやりたい」という気持ちを起こさせ、取り組ませることが可能となります。
また、キャリアは仕事での経験を積むことで形成され、仕事に対する価値観もライフイベントなどを通じて変化していくものになります。1年に1度、今の自分のキャリアに対する価値観、指向性を確認することで一人ひとりが進むべき方向に向かって成長し、ひいては組織全体の成長にも繋がります。
今回ご紹介した活用事例はほんの一例です。キャリアタイプ指向性は採用に始まり、配置配属、指導・育成への活用に加え、本人へのフィードバックを行い、自己認識を高めさせることにより、キャリア形成の支援にも活用できます。
組織が成長する方向に適した人材の採用や、社員一人ひとりが自ら進んで成長する組織づくりを行いたい方は、ぜひエン・ジャパンの担当営業や、3Eテスト事務局までお問い合わせください。